岡本行夫公式サイト

2017年5月21日

共謀罪

(2017年5月21日「サンデーモーニング」より)

 法務大臣や副大臣の説明不足というか能力不足がまずあると思います。それによって、国民に本来の法案の意味が正しく伝わってないと思います。ただそこから先は、私はちょっと考え方が違うんですが、やはりこの法律は必要だと思います。この法案はなんのためかと言うと、「国際組織犯罪防止条約」、いわゆるパレルモ条約に入るために、参加国は共謀罪か参加罪かどちらかを備える必要がある。共謀罪、参加罪というのは世界中の国のほとんどが標準装備している制度です。それらの国々で、法案が制定される際に、いま日本で起こっているような「監視社会になってしまう」、「関係ない人が引っ張られていってしまう」といった議論が起こったかというと、ほとんどありません。日本だけで起こっている議論ということは、やっぱり政府がきちっと説明していないからだと思います。

 パレルモ条約というのは、現在、187か国が参加していて、入ってないのは日本とコンゴとソマリアと南スーダンとそんな国ばかり11カ国です。入らないことでどうなるかと言うと、世界の犯罪者達が日本に逃げ込めば、犯罪人引渡しということにならないし、捜査共助もできないから、犯罪者にとって日本は安全な国になってしまいます。しどろもどろの法務大臣の答弁では、そういったことが国民に伝わっていないと思います。もう少し時間を使ってでも、丁寧に国民に説明してほしいと思います。