岡本行夫公式サイト

2017年4月19日

米朝関係

(2017年4月19日フジテレビ「ユアタイム」より)

 ペンス副大統領が北朝鮮に「圧倒的な効果で反撃」と発言しましたが、言葉で圧力をかけるだけかけるということでしょう。

 実際には、トランプ大統領は習近平主席に北朝鮮をなんとかしてくれと考えているでしょう。どういう方法でということはたぶん言ってないと思いますが、例えば、中国の北朝鮮への石油輸出の停止とか、北朝鮮からの石炭の輸入を止めて資金源を断ってしまうとか、あるいは北朝鮮の口座を銀行で凍結してしまうとか、これは2005年に行いましたが、いろんな方法があると思います。それを中国がやってくれるだろうという期待をもとに、アメリカは、北朝鮮に言葉で非常に強く言っていますが、具体的なアクションはまだとらないと思います。習近平主席も北朝鮮へ圧力をかけることを受け入れたと報道されていますから、たぶんその通りでしょう。ただアメリカが具体的な軍事行動をとるというのは北朝鮮の報復を招きます。実は、アメリカは、1993年に北朝鮮に対して、患部を切除するという意味の外科手術的攻撃「surgical strike」を行うことを一度検討しましたが、あまりにも北朝鮮の報復が凄く犠牲が多すぎるということで断念しています。その時から考えればさらに北朝鮮の報復能力は増していますから、今は実際には軍事行動をアメリカがとることはほぼ不可能だと思います。しかし、北朝鮮の報復を招かない範囲でのいろんなジャブを出すのはあるのではないでしょうか。例えば、サイバー攻撃、あるいはまったく死傷者がでないところに示威行動的に何か行うということもありうるでしょう。アメリカはいろいろなオプションを検討しているようです。北朝鮮がこのままなんとか膝を屈してくれるといいのですが。