岡本行夫公式サイト

2017年4月19日

テロ等準備罪審議について

(2017年4月19日フジテレビ「ユアタイム」より)

 この法律は大事な法案です。それが法務大臣の答弁能力でごちゃごちゃになってしまっているのが大変に残念だと思います。そもそもの目的を政府、大臣はもっと説明すべきだと思います。

 なぜこの法案が大事かと言えば、これは「国際組織犯罪防止条約」に入るための法律です。この条約は、いろいろ目的がありますが、そのうちの一つ大きな目的には、国際捜査共助という捜査情報を皆で交換すること、そして犯罪人の引き渡しを加盟国の間で行えるようにしましょうということがあります。現在187カ国が加盟しています。加盟していないのは、日本以外ではソマリア、南スーダンやコンゴといった国々、全部で11か国にしかすぎません。日本は入っていませんから、犯罪人が日本に逃げ込んできても、日本政府からは引き渡されないので、犯罪人は安心して日本に来るんじゃないかと、極端に言えばそういうことになります。

 共謀罪、テロへの準備罪というところばかりに議論が当たっていますが、これも今まで廃案になってきている法案からは変わってきています。まず、組織的犯罪集団の構成員ではないと犯罪の対象にはなりません。だから我々全員セーフなんです。そのほかに具体的な準備行為、資金を集めたり、現場の下見に行ったり、いくつもの条件が重なって、それでようやく犯罪組織の構成員が逮捕されるということですから、一般市民にとっては全く安全なはずです。それが国会での審議がなんでこんなに揉めているのかと残念に思っています。