岡本行夫公式サイト

2017年4月12日

北朝鮮問題

(2017年4月12日フジテレビ「ユアタイム」より)

 韓国の情報院の調べによると、金正恩委員長は就任から5年で340人を処刑しているそうです。内部は、口コミでいろんなことも伝わりますし、当然、相当ガタガタしているのではないでしょうか。そうすると、ますます強権を用いて抑えようとする。その時に、新しい組織を作ると少し柔らかい感じがあるのでしょうか。19年ぶりに「外交委員会」を復活させたのは、自分の権力を固めるのに必死の状況の表れでもあるでしょう。

 アメリカにとって、現在、北朝鮮が脅威ナンバーワンです。IS「イスラム国」よりも北朝鮮が深刻な脅威と思われ始めています。アメリカ政府は総力を挙げて北朝鮮に向き合い始めているという感じです。軍事的な手段を取るということも、かなり真面目に幅広く考えています。

 ただ、軍事的なオプションと言っても実際に「ドンパチ」する以外にいろんなことができる訳です。アメリカは、イランに対して行ったように、北朝鮮の核開発計画を滅茶苦茶にする能力があるわけで、そういったサイバー攻撃なども軍事的な手段として分類すれば、その可能性は高まっていると思います。

 日本政府が韓国への渡航の注意喚起を出しましたが、ときどき外務省は出しますし、ホームページに書いてあるだけのことで、高いレベルで国民の啓発を促すといった意思で政治的に決まったノーティスではないと思います。もう少し実務的なところでの判断ではないでしょうか。

 日本人が避難ということは他国の人も誰も動かないうちに日本人だけが逃げ出すというようなことは、政治的にもできないでしょう。

 外務省は邦人保護のようなシミュレーションはまだやってないと思います。韓国には何万人も日本人がいるわけですし、その段階ではないと思います。ごくごく予備的なことは、誰か担当官の頭の中にはあるのかもしれませんが。