岡本行夫公式サイト

2017年4月9日

トランプ大統領シリア空爆

(2017年4月9日TBSテレビ「サンデーモーニング」より)

 シリア情勢は、本当に泥沼です。昔、1988年にサダム・フセインがイラクのクルド族に毒ガス攻撃を行ったことがあります。僕は15年経って、その街へ行きました。5000人が殺され、7000人が負傷、多くの人が今でも後遺症に悩んでいます。ですから、化学兵器は絶対に廃絶しなければならない。アサド政権は化学兵器を持っているわけですから、誰かがアサド政権の手からそれを取り上げなければならない。そのアサド政権をロシアがバックアップしています。

 アメリカは、ミサイルを撃って威嚇するというやり方は今まで何度も行ってきているので、攻撃への敷居が低いのでしょう。特に今回は些か性急だった気がします。ちょうど習近平との会談の間、習近平が「ノー」と言えない状況をとらえた。食事中に「実はやったんだけども理解してくれ」と言えば、習近平だって「いや、ダメだ」とは言わないでしょう。絶妙のタイミングです。金正恩委員長にもそういうことをメッセージとして送ったわけです。

 トランプ政権の周辺のアドバイザーたちが計った政治的なタイミングの選択という気はします。もう少し、国際社会に説明してから行うべきだったと思います。