岡本行夫公式サイト

2020年1月12日

自衛隊派遣の是非

(2020年1月12日フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」より)

● 自衛隊派遣の是非 なぜ今、中東に

 私はやるべきだと思います。物騒になればなるほど、日本は、自分たちの船舶を守ることが必要になります。これは集団自衛権とは関係ありません。自衛隊法82条という60年以上前からある法律でも、海上自衛隊は日本の船を守ることになっているわけです。その条項を発令すればいい。

 もし日本がひるんで、それをやらないとどうなるか。負担は他の国にやってもらうということになります。他の国も「日本船舶だけテロのみなさん攻撃してください」と言うわけにはいきませんから、日本の船舶を他の国が守る。日本は、自分の国のリスクを他の国に押しつけるということです。ですから、日本は、このあたりできちっとした国になってもらいたいと思います。

 去年、イギリスの巡洋艦が他の国の船を守ったことがあります。その際、イギリスの艦は、一発の銃弾も撃たずに、テロリストと民間船舶の間に割って入りました。だいたいそれで攻撃側はあきらめます。武力行使をしなくても、他の国の船を守ることは可能なのです。

 その場の臨機応変の対応は、自衛隊の司令官はそのくらいの訓練と判断能力はもっているから任せてもいいと思います。

 (安倍首相が中東諸国を訪問)日本が中東の平和の雰囲気作りをすることも大事だと思います。

● 米イラン関係 どう推移していくか?

 今回のことは、アメリカは、イランに対して、「借り」をひとつ作ったわけです。ウクライナ航空機撃墜を別にすると、イランとアメリカの関係は、まずアメリカがソレイマニ司令官を暗殺した。イランはそれに激昂。しかしイランがとった措置は、考え抜いた措置で、アメリカに人的被害が及ばないようなやり方。つまり、恩を売ったと思います。

 実は、その時点ではトランプ大統領は困っていたでしょう。自分は衝動的に「殺せ」と命令しソレイマニ司令官を殺してしまったが、あんなにイランの怒りが大きいとは知らなかった。イランが報復してくる。そうすると、またアメリカは報復しなければならない。

 トランプ大統領は、自分は戦争を止めた平和な大統領として選挙に臨みたいのに、「アメリカを戦争に引きずり込んだ大統領」となってしまいます。そうなると、選挙戦も負けてしまうかもしれない。それを救ったのがイランだったわけです。全体的な米イラン関係は、今後、改善していくと思います。

 ただ怖いのは、トランプ大統領のことですので、選挙に有利となれば、軍事緊張を煽る可能性がありますから、依然として不透明なところがあるということです。